僕は、問題をろくに読まずに解く子を、皮肉を込めて『天才』と呼んでいる。事実、問題を読まずに問題を解くことができるのなら、本当に天才である。だが、そんな人は存在しないだろう。
今日の授業でこんな一幕があった。僕のところにテキストとノートを持って質問をしに来た子がいた。質問の答えに対して納得したらしく、早く解きたい気持ちでいっぱいで、テキストを持たずに帰っていった。だが、案の定悩み始める。
「ここの数字なんやったっけ。。。。。」
もはや彼にはノート以外の周りは何も見えていないのだろう。天才的な集中力だが、ものすごい集中力の無駄遣いだ。
「いや、それテキストの問題見たら解決するで。」
と心の中では思いながらも気づくのを待つ。
、、、、頭を抱え始める。
しびれを切らした僕は、
「はよテキスト取りに来い!!!笑」
と思わずいってしまった。いや、もう我慢の限界だよ。頭にメガネかけた状態でメガネ探してるような人を前にして口出しせずにいられますか?といったところだ。
「あっ!笑」
彼は満面の笑みで帰っていったのだった。