「これなら僕の方がうまくできますね。」
これは僕とマジックとの出会いのきっかけとなる言葉だ。
今日は僕のマジックの歴史を振り返る。
最近入った小学5年生が学校で手品クラブに入っているということを聞き、僕も即興でコインマジックを披露した。
久しぶりということもあったが、そこそこうまくいき、小学生たちも純粋なリアクションで驚いてくれた。
普段、彼らの前で話しているくせに、ちょっぴり緊張したのは言うまでもない笑
プロフィールにも書いている通り、僕はマジックを特技としている。
今からちょうど一年前にあたる去年の12月から今年の2月までの約3ヶ月間、マジックにめちゃくちゃ没頭していた。
今日はその歴史を振り返りたいと思う。
始まりは、当時アルバイトをしていた社員さんの職員室でのこんな一言だった。
社「墨くん、俺ね、新しい趣味を見つけたんよ。」
ずっと趣味がほしいと言っていた社員さんが、僕に趣味を見つけたことを報告してくれた。
流れの中で自然に聞き返す。
墨「おっ、なんですか??」
社「なんとね!マジックなんよ!」
この時点では『なんだマジックか』程度で僕は全然興味を持っていないし、これから僕が、時間を忘れてのめり込むことになるとは思いもしていない。
社「早速、一個できるようになったんよ。」
墨「おおー!見せてくださいよ!」
その時、職員室にいたもう一人のアルバイトの人とマジックを見せてもらうことに。
今思い返せば、この流れが間違いだったのだ。
もう少し練習してもらってから、うまくなった時に見ればよかったんだ。
軽い気持ちで「見せてくださいよ」などと言うべきではなかったのだ。
いや、僕がマジックというものに期待を抱きすぎていたのかもしれない。
そもそもマジックを覚えたての素人が、みんなをアッと言わせるようなマジックができるだろうと思うことの方が間違っていたのだ。
しかし、僕は過剰な期待感を胸に社員さんのマジックを見てしまったのだ。
今後3ヶ月に渡り、僕の時間がかなり吸い取られることになろうとは知りもせずに。。。
そしてマジックは始まった。
内容はマジックの定番、相手が選んだトランプを当てるというもの。
淡々と演技は行われる。
僕はどんな当て方をしてくれるのかと、期待に胸を膨らませて演者に熱い視線を送る。
どんな驚きが待っているのだろうか。
どうやって予想を裏切ってくれるのだろうか。
ワクワク、、、
ワクワク、、、
だんだんとそのワクワクが不安へと変わってくる。
ざわ、、
ざわ、、
ざわ、、(カイジ風)
残念ながら、僕の不安は的中してしまう。
なんの驚きもなくマジックは終了してしまったのだ。
「ああ、、、、。え?」
僕の口から思わず漏れてしまった。
考えずともタネがわかる。
「ああ、だろうな。」
素直な感想だ。
しかも確か失敗した。
一つ言わせてもらうと、僕は純粋にマジックを楽しもうと思ってみていたので、タネを暴いてやろうなどという汚い心は一切持っていなかった。
それでもわかってしまうようなマジックだったということだ。
(決してS先生の悪口ではありません。笑
始めて1日そこらだと本当に大したマジックなんてできないってことです。笑)
そこで失礼ながらにちょっとがっかりしてしまった僕は、冒頭の一言を思わず漏らしてしまったのだ。
「これなら僕のほうがうまくできますね。」
この発言を受け、社員さんと僕のマジック対決が忘年会の時に行われることが決まった。
勝てそうな勝負なら絶対に負けたくない。
こうして忘年会に向けた、僕の熱きマジック特訓が始まったのであった。
続く