中3の受験生には口うるさく言っているのだが、テストとテストの合間に友達同士で答えを確かめ合ったり、前に受けた教科の自己採点(や答えの確かめ)をしたりするな。
はっきり言おう。
テストが全て終わる前に自己採点をしても何一ついいことはない。
これは過去のある受験生の話だ。
その受験生(仮に少年Aとしよう)は5年前、今まさに行われているセンター試験を受けた。
センター試験について軽くおさらいすると、1月中旬の土日2日間に渡り行われるマーク式の試験で、全国で約5万人(テキトーに言ってしまった)が受験すると言われている試験だ。
1日目には社会・国語・英語の文系教科、2日目には理科・数学の理系教科の試験が行われる。
そんなセンター試験の特性上、2日に渡って行われるが故に、多くの受験生がやらかしてしまう有名なミスがある。
そう、自己採点である。
1日目が終わると結果が気になって夜も眠れない症候群の人が現れ、どうしても自己採点をしたくてしたくて震えてしまう人が数多く発生するのだ。
しかもそのニーズに応えるかのごとく、ネットにはその日の夜に1日目の解答速報なるものが、掲載される。(本当は違うニーズに応えているのだろうが。)
そしてこらえきれない受験生達が自己採点をしてしまうのだ。
あるものはその結果に歓喜し、またあるものは涙をのむ。
ああ無情。
言わずもがな少年Aもそのうちの1人だった。
彼が受験した年は、国語がかなり難化した年だった。
平均点がたしか100点を割っていた。(満点は200点。)
国語が終わった後の試験会場は、完全にお通夜状態だったという。
そんな中、少年Aは確かな手応えを感じていたらしい。
その時の彼の気持ちを代弁すると、
「みんなあまりできてないのか。でも俺は確実にできたぞ。
これは俺の一人勝ちか!?
やっほー、パッパラパー。」
っていう感じだろう。
もともと国語があまり得意ではない彼だったのだが、その日はかなりできた感じがしたらしく、みんなができなかったという話が聞こえてくるたびに笑いが止まらなかったという。
なかなか性格の悪い奴だ。
そんな彼は家に帰り着いた時には、もう自己採点がしたくてしたくてたまらなかったという。
「国語の点数は、きっと、きっといいはずなんだ。
早く俺の点数が知りたい〜。」
おそらくこんな気持ちだったんだろう。
彼は家に帰ってからも自己採点のことで頭がいっぱいだった。
もちろん、塾の先生や学校の先生には絶対に自己採点をしないように言われていた。
しかし、するなするなと言われると、したくなるのが人の性。
彼は帰ってから何も手につかず、1人でひたすら解答速報ページの更新ボタンを押し続けた。
この間に勉強すればいいものを。。。。
そして待つこと約2時間。
解答速報ページの公開と同時に少年Aは自己採点を始めた。
結果はこの壮大な前振りにより、なんとなく察してくれているだろうから言うまでもないだろう。
、、、彼は撃沈した。
これまでにとったことのないような点数をとってしまったと言う。
全国平均をあっさり切った。
国立大を目指しているのにだ。
そしてその結果は当然のごとく2日目にも響く。
彼は2日目にまきかえさなければならないというプレッシャーにより、過度な緊張をしていた。
24時には布団に入るも当然その日はなかなか寝付けない。
そして普段は起こされても起きないのに朝5時に自然起床。
猛烈な便意に襲われた彼が、朝一のテストが始まるまでに放つこと3回のビッグベン。
もともと胃腸は弱いらしいが、こんなことはこれまでなかったと言う。
彼が2日目に本来の力を発揮することができなかったのは言うまでもないだろう。
不完全燃焼に終わったセンター試験だった。
長々と話したが、自己採点をしても何もいいことがない。
今回は自己採点の結果がうまく言っていない人の話だったが、これで仮に彼がうまくいっていたとしても逆に油断が生じただろう。
終わったら次の教科のことを考える。
これだけは意識しておいてほしい。
自己採点は絶対にするな!
お気づきかもしれないが、少年Aというのは僕のことだ。
結果的には大学合格をつかむことができたが、本当に自己採点はすべきでなかったと思う。
ちなみに僕は、センター試験で失敗しておきながら、二次試験でも自己採点をした大馬鹿野郎だ。
今、過去に戻れるのならテスト直後に机に縛り付けてでも自己採点をさせないようにするだろう。
それぐらい自己採点はするべきでない。
今日、自己採点をする人が少しでも減りますように。
ただただ願うのみだ。