昨日の夜の話だ。
今、僕はわけあって動画を作っている。
基本的に動画作りとかは好きじゃないんだけど、性格上、一度やり出したら止まらなくなる。
「もうちょっとここはこうしようかな。」
「ここにこの効果音入れたらいいかも!」
「ここの部分はもっといい感じに作れそうな気がするんだけどなぁ。」
そんなことを考えながら、生徒たちが帰った後の教室で1人残って作業をしていた。
没頭している時の時間の経過スピードといったらもう、それはそれは早いもので、気づけば普通に昨日から今日になっていた。
「明日(今日)も朝早いし、今日は帰ろっと。」
そんなことを思いながら塾を去る。
動画熱が収まらなかったので、動画作成中に再生していた曲を帰り道に鬼のようにリピートしながら歩く。
道を歩いている人も全然いないので、まあまあな声量で歌う。
「大通りを歩きながら、こんな大声で歌えるなんて!」
僕がジャニーズとして生まれていたなら、これにファンの大歓声がついてきたのだろうか?なんてありもしないことを考えながら、声量のギアを一段あげ、帰り道をひた進む。
そんな僕が曲がり角を曲がろうとした時に事件は起きた。
曲がった先にギャル2人組がいるではないか!!
僕より年齢は少し下ぐらいだろうか。
頭の色は僕と同じ系統だ。
それにしてもこんな夜遅くにギャルがこんな道端に2人でしゃがんで何やってんだよ。
全力で歌う僕
へんものを見る目で僕を見る2人組
目が合う僕ら
その距離およそ1メートル
そこで僕は1つの判断を迫られた。
この後、どうするべきか。
1 歌うのをやめて、そのまま何事もなかったかのようなフリをする
2 歌うのをやめて、走って逃げる
3 歌い続ける
1の選択肢は、はっきり言って厳しい。
1メートルの距離で聞かれているのに、何事もなかったかのようになんてできるはずがない。
絶対に何かあっているのだ。
2の選択は、僕的には一番なかった。
彼女らの存在に気づいて、歌うのをやめて、走って逃げ出す。
これほどまでに恥ずかしいことがあろうか。
消去法的に3の選択をすることになった。
僕が歌っている途中で、たまたま遭遇したのではない。
僕が聞かせようと思って大きな声で歌ったのだ。
圧倒的な歌唱力を耳に焼き付けやがれ〜。
テストで90点以上取っても通知表の点数は4だった僕の歌唱力を。
みんなも歌いながら帰るときは、十分に周りに気をつけながら歌ってほしい。
今日も日本は平和だ。
では、また明日。