大学の新課程の導入により
共通テストも大きく変化することになります。
高校の新課程教育は、2022年度の高1から始まり
2025年度大学入試が初の新課程大学入試となります。
この記事をご覧の方の中には、
指導要領や共通テストが変わることは知っているが
具体的にどう変わるのか
どのような対応が必要なのか
など様々な悩みや、不安を抱えている方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、
新課程の共通テストを迎える上での
ポイントについて、解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
新教育課程は、中学は全学年一斉に実施されたのに対し
高校は2022年度の高一から順次開始されました。
そして、2024年度、つまり今年の高三から
新課程の大学入試が開始されました。
新教育課程では、各教科等で育む資質・能力を明確にして
育んでいくことを目標としており、
主体的・対話的な学習や探究的な学習を行います。
これに伴って、共通テストでは学習の過程を重視し、
問題の構成や場面設定を工夫するとしています。
新課程での探究的な学習を重視した場面設定を
行うようです。
2025年度の共通テストでの具体的な変更点は次の表のようになっています。
変更点 | |
時間割 | ・国語が80分から90分に
・数学②が60分から70分に |
国語 | ・配点20点の実用的文章問題が新設
これに伴って評論、小説、古文、漢文の配点が各45点に |
地歴公民 | ・必履修25点+選択科目
・探究的な学習における思考のプロセスを意識した出題 ・情報を適切に結びつける能力が問われる |
数学 | ・数学①が全問筆答に
・数学②の大問が4問から6問に 数Bの数列、統計、数Cのベクトル、複素数平面から出題され、3項目の問題を選択 ・仮説検定や複素数平面上の図形に関する問題が出題 |
理科 | 試作問題なし |
英語 | ・ライティング学習場面の設定 |
情報 | ・知識問題でなく、与えられた情報で解く問題が多数
・プログラミングは日本語混じりの独自言語を使用 |
特に、情報Ⅰは新しく始まった科目なので注意が必要です。
情報Ⅰは新設された科目なので、試作問題から
傾向を分析する必要があります。
試作問題の構成は以下のようになっています。
出題範囲 | 配点 | 出題内容 | ||
第1問 | 問1 | 情報社会の問題解決 | 20 | 語群から適切な文章を選ぶ穴埋め問題 |
問2 | 情報通信ネットワークとデータの活用 | |||
問3 | コンピューターとプログラミング | |||
問4 | コミュニケーションと情報デザイン | |||
第2問 | A | 情報社会の問題解決、コミュニケーションと情報デザイン | 30 | 二次元コードの仕組みや知的財産権に関する問題 |
B | コンピューターとプログラミング | 日常的な題材を用いた、乱数とそれを与える確立モデルによるシュミレーションに関する問題 | ||
第3問 | コンピューターとプログラミング | 25 | 日常的な題材から、独自のプログラムを適切な形で作っていく問題 | |
第4問 | 情報通信ネットワークとデータの活用 | 25 | 統計をもとにした箱ひげ図、散布図から適切な情報を読み取る問題 |
基礎的な知識も必要ですが、どちらかというと
誘導に沿った論理的思考力の方が重要です。
また、試験時間60分に対して、文章量がかなり多くなっています。
試作問題などを解き、思考の流れや文章量に慣れるようにしましょう。
時間が80分から90分に伸び、実用的な文章が追加されました。
実用的な文章とは、具体的な何かの目的や狙いを達成するために
書かれた文章であるとされています。
試作問題では、地球温暖化や日本語の言葉遣いなどの身近なテーマについて、グラフなどを含む複数の資料が提示され、問題に応えるという形式で出題されました。
また、二つの文章に共通して、問題の最後には適切な選択肢を選んでレポートを作成する問題が出題されています。
対策として、グラフなどの図表を含む文章やレポートに慣れるようにしておきましょう。
地理歴史の出題科目は、「地理総合、地理探究」、「歴史総合、日本史探究」、「歴史総合、世界史探究」の3科目、
公民の出題科目は、「公共、倫理」、「公共、政治・経済」の2科目、
地理歴史と公民を組み合わせた科目として、「地理総合、歴史総合、公共」の1科目へと変更されています。
ただし、公民の2科目を同時に選択はできず、「地理総合、歴史総合、公共」で選択した科目と同じ名前の科目との組み合わせも選択できません。
数学ⅡBCでは、数学Bから2項目(数列、統計的な推測)、数学Cから2項目(ベクトル、複素平面)に対応した内容になっています。
また、時間も10分伸びており、問題の文章量も増えています。
対策として、演習問題を時間を測って解き、感覚を掴んでおきましょう。本番では、一つの問題にこだわりすぎず、問題の取捨選択を行うことも重要です。
理科は、内容としては大きな違いは見られません。物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎は一つの科目となり、2科目を選択する形になりましたが、実際の内容には変化はありません。
外国語の内容、時制ともに変化は見られません。
令和7年度共通テストは1/18(土)、1/19(日)の二日間です。
時間割は次のようになっています。
1/18
地歴公民 | 2科目 9:30 ~ 11:40 (130分、うち解答時間120分)
1科目 10:40 ~ 11:40 (60分) |
国語 | 13:00 ~ 14:30 (90分) |
外国語 | ライティング 15:20 ~ 16:40 (80分)
リスニング 17:20 ~ 18:20 (60分、うち解答時間30分) |
1/19
理科 | 2科目 9:30 ~ 11:40 (130分、うち解答時間120分)
1科目 10:40 ~ 11:40 (60分) |
数学(1) | 13:00 ~ 14:10 (70分) |
数学(2) | 15:00 ~ 16:10 (70分) |
情報 | 17:00 ~ 18:00 (60分) |
国語と数学②がそれぞれ10分ずつ伸び、情報が追加されています。
全体的に長時間化する傾向にあるので、
集中し続けることを意識しましょう。
今回の記事では、2025年度の共通テストの具体的な変更点について解説しました。
高3はもちろん、高2、高1も今後の参考にしていただけると幸いです!